第五十一回日本臨床腎移植学会に参加しました。
昨年度と同様に神戸での開催となりましたが、昨年のポートアイランドではなく、隣の六甲アイランドにあるファッションマートで行われました。どちらも人工島のようですが、前者は高度経済成長期の貨物船の発着のために作られており、後者は住宅地を主とした街づくりとなっているようです。
今回の学会で、群馬大学としては、医師から二演題、看護師から一演題のポスター発表を行いました。
他大学の先生方の発表で個人的に興味が強かったのは、移植後の感染症です。
腎代替療法の一選択肢である腎移植は維持透析と比較し長期予後を改善させることは知られていますが、免疫抑制剤内服による感染症リスクも伴います。
移植後に限らず、感染症は、合併症やそれなりの基礎疾患がある場合を除けば、適切な治療により救命し得る病態です。しかし、適切なタイミングで適切な治療を開始できなければ、助かるはずの命が失われることもあります。
移植後のニューモシスチス肺炎もその一例です。今年度当院で経験したいくつかの症例は幸い移植腎を温存したまま救命し得ましたが、学会の報告の中には死亡例や移植腎廃絶例もあり、適切な予防や、早期に診断・治療開始することの重要性を痛感しました。
学会場で振る舞われた、地元灘の日本酒を嗜みながら、一医療者として、助かるべき命を失ってはならないと決意を新たにすることができました。
私事ではありますが、たまたま学会期間中に誕生日を迎えたこともあり、お祝いしていただいた関根先生、看護師さん、本当にありがとうございました。
文責:土肥光希