先日第87回 日本泌尿器科学会群馬地方会が開催されました。
昨今のCOVID-19感染拡大の影響もあり、webメインでの開催となりました。
今回の地方会は、web開催ではありましたが、非常にバラエティーに富んだ内容で、参加者もweb参加者で60名を超えるなど、非常に盛況な会であったと思います。
まず、群馬大学泌尿器科出身で、現在は群馬県利根沼田(兼)吾妻保健福祉事務所長でいらっしゃいます、武智浩之先生から、「世界保健機構(WHO)本部で勤務した経験」についての講演がありました。普段の日常臨床とはちょっと離れた公衆衛生の分野について、非常に興味深くお話を聞かせていただきました。
またACP(Advance Care Planning)シンポジウムとして、伊勢崎市民病院緩和ケア内科の廣野正法先生と、公立館林厚生病院泌尿器科の中村敏之先生の発表を拝聴しました。廣野先生はもちろん緩和ケアの専門家ですし、中村先生も長期にわたって緩和ケアに携わっていらっしゃいますのでこの分野に造詣が深く、非常に示唆に富んだお話で、一般診療の治療とは別の重要な観点について教えていただきました。
また最後には鈴木和浩教授から「BRCA遺伝子検査と前立腺癌」との演題で講演いただきました。近年前立腺癌治療もめまぐるしく変化してきており、自身の知識のupdateが重要であると感じました。
さて、一般演題ですが、若手医師を中心に発表が行われ、今回は群馬大学の高鍬征大先生の「精巣腫瘍化学療法後にテストステロン負荷試験を施行した一例」が優秀賞に選ばれました。おめでとうございます。なかなかコロナの影響で学会開催が通常通り行われず、聴衆の前で発表する機会が少ないのが残念ですが、引き続き頑張って泌尿器科医として成長してくれることを期待します。
webでの開催にもメリットはあり、次第に慣れてきた印象もあります。しかしながら、学会会場で普段お会いしない他施設の先生方との雑談など、以前の学会の雰囲気が懐かしくもあり、早く日常生活が戻ってくれることを期待したいと思います。
文責:野村昌史