

6月12日、13日と2日間の日程で上記学会に参加してきました。
外来で男性更年期障害に関して診療する中で様々な疑問点を感じ、テストステロンに関するより専門的な学会について探していたところ、本学会にたどり着いたのが参加のきっかけです。
以前から学会については聞いてはおりましたが、勝手な想像で不妊治療の男性側の因子に関することを扱っているイメージがありました。しかしながら今回の『男性学を極める』という開催テーマにも代表されるように男性内分泌疾患に始まり、男性不妊、またLOH症候群、前立腺肥大症、前立腺癌といった多岐にわたる疾患についての研究発表がなされていました。当科鈴木教授が座長を務めたシンポジウム「アンドロロジーから見た男の一生を極める」では一連の流れを演者の先生方は非常にユーモア溢れる話術と、また視覚的にも分かりやすい講演でご教授くださいました。
男性不妊については大学病院にいると手術療法を希望される患者さんと接するのみで、また費用についても手術時の概算くらいしか理解していないのが現状ですが、本学会では不妊について支援をしているNPO法人Fineの松本先生の講演を聞き、男性側要因のすぐ裏側には女性側要因で悩み、またその治療にかかわる精神的、経済的な負担についても体験者のアンケート結果をもとに報告され、非常に勉強になりました。
基礎研究については、普段実験をしておりませんので明るくないのですが、横浜市立大学の小川先生の器官培養によるin vitro精子形成に関する発表は80年前に発表された報告から紐解いて、現在の研究につなげているとのことで非常に感銘を受けました。
また学会場では中学時の友人に出会い、非常にためになる話を聞く事ができ、また交流を深める事ができたこともあり大変有意義でした。
学会初日の天気は曇り空で夕方から雨がちらつくどんよりとした生憎の天気でしたが、13日は前日の天気が嘘のように晴れ渡り、軽井沢ならではの心地よい涼しさと程よい風が吹き抜ける新緑の中を疾走したいのを抑えて学会場を往来しました。
文責:周東孝浩