群馬大学大学院泌尿器科学分野のホームページへようこそ。
平成16年4月から群馬大学大学院医学系研究科泌尿器科学の教授を担当させていただき12年目に入ります。初版の挨拶文を記してから4年が経過しました。泌尿器科全般にわたる臨床を継続し、腹腔鏡手術に加え、平成26年からはロボット支援手術も行っております。最近の当教室の動向で特記すべき事項は、平成26年度に5名、平成27年度に7名の医師が入会してくれたことです。さらに、その中で毎年1名ずつ女性泌尿器科医が誕生しており、群馬大学泌尿器科ではあわせて5人の先生が活躍しています。泌尿器科疾患の構造から男性患者さんが多いわけですが、腎臓、膀胱関係の疾患は女性も多く、今後、ますます女性泌尿器科医が求められてきます。
泌尿器科は外科系分野ですが、腎・泌尿器疾患を診断から治療まで一貫して担当する診療科です。このため、内科的な知識や検査に始まり、透析、手術、薬物療法そして緩和医療まで、医療全般にわたるマネジメントを行います。疾患も、悪性腫瘍のみならず、透析・移植、小児、排尿機能、感染症、性機能、男性不妊症など幅広い分野を担当しています。泌尿器科専門医として、こうした全般の医療技術を習得していくことと並行して、自らの目指すサブスペシャリティーを意識しながら進んでいくことが可能です。
また、大学におけるアカデミック活動も診療と並んで重要です。泌尿器科臨床を身につけた時点で関心のある分野の基礎研究や臨床研究を大学院生として一定期間行うことは、疾患をより科学的に見つめる能力を向上させることにつながります。こうした活動を継続させたいと希望する場合には大学でスタッフとして活躍し、海外および国内を問わず、留学してさらに研鑽を積むことを奨励します。
群馬大学泌尿器科は多様な人材が、大学ならびに、関連施設で活躍しています。「群馬大学泌尿器科医師の会」のホームページも是非ご覧下さい。2016年から始まる新しい専門医制度にも、これまでの大学と関連施設からなら教育システムでスムースに移行ができます。わたしたちは、これまで以上に、100名を超える群馬大学泌尿器科の同門の医師と、これからの大きなポテンシャルも持った若い皆さんの力を結集して進んで行きたいと考えています。是非、医学部生、初期研修医、後期研修医、そして他の専門医を持つ先生でも泌尿器科に関心のある皆さん、わたしたちと一緒によりよい泌尿器科診療・研究に参画いただけますようお願い申し上げます。
平成27年7月 群馬大学大学院医学系研究科泌尿器科学
教授 鈴木和浩
【初版の挨拶】
群馬大学は北関東唯一の大学院大学として平成15年に部局化されました。これに伴い、泌尿器科も、器官代謝制御学講座の中の泌尿器科学分野としてリニューアルしました。前身である群馬大学医学部泌尿器科学講座は昭和36年に志田圭三初代主任教授が開設いたしました。当時から前立腺に注目し、活性型テストステロンである5α還元酵素の研究を開始し、前立腺の男性ホルモン依存性および抗男性ホルモン製剤の開発に貢献しました。こうした取り組みにより、1980年日本医師会賞「アンチアンドロジェンの基礎的、臨床的研究」が授与されました。昭和59年より、山中英壽第2代主任教授が就任しました。前立腺癌検診にいち早く取り組み、PSAの導入を行い、日本における前立腺癌検診のモデルを確立しました。この臨床的意義が評価され、2003年に朝日がん大賞「前立腺がん集団検診システムの開発と普及」が授与されました。このように、前立腺を中心とした臨床的、基礎的な研究を中心に大学としての方向性を歩んできました。
2004年に鈴木和浩が第3代主任教授を拝命し、現在にいたっております。これまで培ってきた前立腺疾患の臨床および基礎研究を継続しつつ、泌尿器悪性腫瘍の診断・治療の充実、腹腔鏡手術の導入、慢性腎不全に対する血液浄化療法から腎臓移植まで包括的に腎・泌尿器疾患のマネージメントに力を注いでおります。さらに、最近は進行性前立腺癌に対する新薬の臨床治験にも積極的に参加し、難治性と言われていた病態に少しでも貢献できるようにと診療に取り組んでおります。患者さんにおかれましては、私どもの診療の内容をご覧いいただければと思います。
平成16年より新臨床研修制度が開始され8年が経過しました。これによって大学における研修システムが大幅に変更されました。このシステム下では、これまで以上に大学およびその関連施設を利用した泌尿器科専門医トレーニングが大切になっていると考えます。高齢化社会の進行に伴い、尿路のトラブルを抱える患者さんは非常に増加しており、泌尿器科医の需要がこれまで以上に高まっております。このホームページをご覧いただき、初期研修・後期研修を始める前途有望な医師、また後期研修を終了しこれから専門医となる医師、是非、私たちと一緒に、明日の泌尿器科医療・研究に泌尿器科専門医を是非一緒に目指していきましょう。私たちは心から歓迎します。
群馬大学大学院医学系研究科泌尿器科学
教授 鈴木和浩