
抄録集
第13回関東ホルモンと癌研究会報告
群馬大学大学院医学系研究科泌尿器科学
教授 鈴木和浩
平成25年2月2日(土)に第13回関東ホルモンと癌研究会を開催しました。本研究会は、乳癌、前立腺癌、婦人科癌などの癌診療とホルモンは密接な関係にあり、診断、治療において臨床と研究の重要な位置を占めていることから、ホルモン癌診療の向上を目指す研究会です。全国組織のホルモンと癌研究会の関東地区部会と位置付けられていますが、会員は全国で臨床および基礎研究を展開している先生からなる会です。
今回は、「組織内内分泌とホルモン依存性癌の最前線」というテーマで会を企画しました。乳癌、前立腺癌、子宮内膜癌はホルモン依存性を特徴としますが、近年、組織内内分泌、intra-crineの概念を意識することは、研究はもとより、治療においても重要な位置づけとなってきました。それぞれに、共通点・相違点があり、各分野の知見を共有することでそれぞれの分野での新しいヒントを得る可能性を持ちます。基調講演ではこの分野の第一人者である東北大学病理病態学講座の笹野公伸教授からそれぞれの癌における組織内内分泌の最新知見をご発表いただきました。シンポジウムでは前立腺癌、乳癌、子宮内膜癌に関して群馬大学柴田康博先生、埼玉県立がんセンター武井寛幸先生、信州大学宮本強先生から、ご自身のデータを交えて各分野での取り組みをご発表いただきました。一般演題では、10演題をディスカッションし、真冬の午後が暑い討論であっという間に過ぎました。
最後に、ご出席いただき、活発なご討議をいただきました各位および運営にご協力いただきました諸氏に心より御礼申し上げます。